表1.木質構造の分類
法規上の構法分類 |
構法の名称(通称) |
構造形式 |
主な用途 |
在来構法 |
伝統構法 |
軸組、軸組+壁 |
神社、寺院、数寄屋、茶室、住宅 |
軸組構法 |
軸組、軸組+壁 |
住宅、店舗、事務所、集会場、学校 |
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木骨土蔵造 |
軸組+壁 |
倉庫、蔵、店舗 |
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木骨組積造 |
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木質プレファブ構法 |
軸組式 |
軸組 |
住宅 |
パネル式 |
壁 |
住宅 |
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モデュラー式 |
壁 |
住宅 |
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枠組壁工法 |
(ツーバイフォー) |
壁 |
住宅、店舗、事務所 |
丸太組構法 |
(校倉造・ログハウス) |
壁 |
住宅、店舗、事務所 |
大断面木造 |
集成材構造 ハイブリッド構造 |
軸組、軸組+壁、ラーメン、トラス、サスペンション、アーチ、ドーム、シェル |
展示館、体育館、集会場、学校、教会、事務所、倉庫、店舗、住宅 |
木質構造を構法・用途・構造形式の面から分類すると概ね表1のようになる。また、法規上では建築される地域、用途、面積、高さ、構造材料によっていくつかに区分されている。すなわち、防火・準防火地域以外の一般の建築物では、
1)面積
3,000m2を超える、あるいは高さが軒高9mまたは棟高13mを超えるものは建設大臣の特別の許可がない限り建築することはできない2)面積
500m2を超えるか、3階建て以上のときは「大断面木造(小径15cm以上、断面積300cm2以上の大断面材を用いた構造)」「枠組壁工法」のいずれかの構法を用い、計算によって一定の構造性能(耐力と変形)を有することを確かめることが義務づけられる3)
延べ面積1,000m2を超えるときは、防火壁によって区画しなければならない。4)面積
500m2以下、2階建て以下のときは「枠組壁工法」「丸太組構法」の技術基準によるか、通常の壁倍率計算による「在来軸組構法」によって建築することができる。であり、住宅密集地などの防火・準防火地域や劇場・学校などの特殊建築物ではいくつかの制限が設けられている。なお、法律的概念として、
2)でいう「大断面木造」はあるが、「大規模木造」はなく、どのくらいの規模を「大規模木造」と呼ぶかは人によって異なる。しかし、一般には2)に該当する規模の構造物から「一般住宅(平屋、2階建戸建)」を除いたものをイメージしているようである。(コンサイス木材百科 「110.木造?木質構造?木構造?そして大規模木造」より引用)