腐朽程度の異なるスギ梁材の曲げ強度試験(平成21年度木材応用講座 3回目まとめ)
10年前に保証荷重試験を実施後、屋外にシートを掛けて保存してあったスギの梁材(公称寸法105×210mm)のうち腐朽が見られたものに対し、曲げ破壊試験を実施(スパン3,300mm、ロードスパン1100mm)。ただし、No.19、No.190は3年ほど前に腐朽を発見した時点で屋内に移し、そのまま保存していた。
No.97
MC18.9%、MOE 6.04kN/mm2(前回測定時6.70)、MOR 9.3N/mm2(標準試験条件調整値 11.3N/mm2)。荷重区間外の引張り側腐朽部分から破壊
同左
腐朽部位。表\面から見ただけでは、それほど腐朽しているようには見えなかったが、ドライバーで掘ってみると、かなり広範囲に腐朽が進行していた。実験前にレジストグラフでその付近を測定したが見逃した(実験後再測定時には検知)。ピロディンの打ち込み深さは40mmであったが
No.19
MC11.0%、MOE 7.10kN/mm2(前回測定時6.82)、MOR 24.3N/mm2(標準試験条件調整値 24.6N/mm2)。引張り側の節から破壊。節の上に腐朽が見られるのでその影響はあったものと考えられる。
同左
腐朽部位
No.190
MC11.5%、MOE 7.19kN/mm2(前回測定時7.09)、MOR 28.9N/mm2(標準試験条件調整値 29.4N/mm2)。引張り側の節から破壊。
同左
反対側の面。亀裂進展先の節の周りに軽微な腐朽が見られる。多少はその影響があったかもしれないが、不明。
同上
腐朽部位