2.堤体の安定計算
ダムの設計(安定計算)は、堤体の自重、水圧、堆砂圧、揚圧力の組合せで行われ、これら外力に対しての安定を保つため、次の4つの条件を満足させるものとし、その断面を決定する。

<設計例>
 3.水平載荷試験に用いる、試験堤体を対象として行った堤体の安定計算例を以下に示す。作用荷重と設計条件を図3および表1に示す。(ただし、表1の設計条件のうち、堤体の比重と、摩擦係数は後述の実測値を用いている。越流水の水深は0.5mとしている。)
1) 転倒に対する安全(堤体の上流端に引張応力が生じないよう堤体の自重及び外力の合力の作用線が原則として底部の中央1/3以内(ミドルサード)に入ること)
2) 滑動に対する安全(堤底と基礎地盤の間で滑動を起こさないこと)
3) 堤体の破壊に対する安全(堤体内に生ずる最大応力が材料の許容応力を越えないこと)
4) 地盤の破壊に対する安全(地盤の受ける最大圧が地盤の許容支持力以内であること)
図3 作用荷重と底面の応力分布