ラッピングによるCLT床版の高耐久化技術の開発
木材であるCLTは,コンクリート橋・鋼橋で問題となる塩害や中性化,凍害とは無縁ですが,生物劣化(腐朽菌・シロアリ)への対策を十分にする必要があります.木材の主な高耐久化技術に防腐処理がありますが,寸法の大きいCLT製品や大量のラミナへの薬剤加圧注入は,現状の技術では実用化が難しいと思われます.
木高研は「内容物の物理的保護」で一般的な手段の“ラッピング”に着目し(図3)、CLT表面へのFRPシートの貼付や塗膜系材料による塗工などのラッピング技術を新たに考案しました(図4).乾湿繰り返し試験(20℃ 40%RH⇔20℃ 90%RH)の結果、防湿(防水)効果を期待できることがわかってきました(図5)
図3.ラッピングによる防水防腐技術
図4.CLTの各種ラッピング加工
図5.ラッピング加工CLTの 乾湿繰り返しによる重量変化