実験3:厚物成形樹皮ボードの試作と実験住宅への施工実験
1)実大実験用のスギ樹皮厚物成形ボードの試作
a)供試材料:ボード工場にてハンマーミル破砕された樹皮を、熱風循環式の乾燥機にて含水率10%乾燥させた。乾燥のための循環で樹皮の形状を整えた。
b)ボード製造:寸法を1000×2000mmとし、写真に示した成形型を用いて表面に凹凸を成形した。厚さ及び比重は凸部で45mm・0.40、凹部で37mm、0.45とした。接着剤はMDI(日本ポリウレタン㈱製WC-300)を用い、樹皮全乾重量に対して10%添加した。成形には160℃の蒸気噴射プレスを用い、0.55MPaの蒸気をプレス閉鎖直後に20秒間噴射した後、4.5分間圧締した。
c)ボードの後処理:成形したボードは、900×900mmのユニットに加工し、4辺には相欠きにして、隙間なく敷設できるものとした。
2)実験住宅への施工実験
開発した材料の施工方法の検討及び施工性の評価のため、秋田県立大学木材高度加工研究所敷地内にある実験住宅内に、実大の暖房床を施工した。部屋は5.4×3.6mで、ここを1.8×3.6mの3ブロックに分け、それぞれに異なる配管方法・床構成を与えた。施工後の部屋に遮光等を施した後、床暖房効果をモデル実験と同様に測定した。