4月26日 09:05 現在
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旧ミッション研究テーマ(2009〜2011)

I. 森林資源を活用するための基盤研究

I-1 樹木の遺伝的特性と利用材質
遺伝子解析技術を駆使して有用樹木のゲノム情報を入手することにより樹木が本来的に有する遺伝的特性を網羅的に調査する。また、それらの遺伝的特性と種々の利用材質との関連性を明らかにすることによって森林管理、森林施業、林木育種、木材利用に有益な基礎的状況を提供する
I-2 木材組織・物性を基にした材質の改変
木材の組織・材質に軸足をおいて、水分と熱の移動のメカニズムを解明することによる乾燥の最適化、また、様々な機能を付与するための手法、接着剤の極限的低減を目指した基礎的研究を行う。
I-3 針葉樹材の構造利用上の問題点の解明
スギをはじめとする針葉樹材を構造材として利用する上で問題となる、含有水分と強度の関係、高温乾燥等の熱処理による劣化と強度低下の関係、腐朽等の生物劣化と強度低下の関係等の現象について、その原理を追求し解明していく。

II 低炭素社会に向けた森林資源利活用技術の創生

II-1 森林資源からの有用物質の生産
地域の森林および農産資源から生物活性物質等の有用物質を探し出し、特性の解明と生産技術の確立を行い、利用分野の拡大を図る。また、上記資源を原料とし、化学的または生物学的手法を用いて燃料を生産し、エネルギー化する技術を開発する。
II-2 未利用・低利用森林資源の環境保全資材および新素材への転換
持続型社会の構築に向け、植物資源を原料としながらも従来の石油由来資源から作られる材料を凌ぐ「もの作り」や未利用・低利用資源の利用技術開発を行う。
II-3 高機能・高信頼性木質材料の開発
木材などの天然系素材が持つ繊維配向などの好特性をより生かしながら、同時に天然系材料の持つ性能の不安定さなどの負の特性を解消した親環境型高機能性材料の開発を目指す。当面は既存の材料製造技術、特に単板積層材料の成型技術を踏襲しつつ、繊維配向方向を積極的に制0することにより新しい機能性発現を追及する。
II-4 安全性に優れた木質構造物の開発
木材や木質材料を用いた、新たな安心・安全な建築・土木構造物の開発や、木造住宅の簡便で安価な耐震改修方法の開発を行うとともに、それらを超長期にわたって使用していくための維持管理手法の開発も行う。

III 基礎研究と利活用技術の融合と展開

III-1 森林資源による環境にやさしい産業と地域の構築
木材循環および環境負荷を考慮した地域産材の利用・生産・需給システムの分析と評価およびそれをもとにした諸政策等の提案を行う。
III-2 地域資源・地域特性を活用した地域居住環境の提案
民・産・官・学の協働による木の香る環境共生のまちづくり・道づくりの展開・支援、木質材料及び地域資源による安全で快適な居住環境の分析・提案を行う。